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Noblerot

『気持ち悪く耽美な幻想の幕開け。』
「ゴス」とか「ゴシックロック」というのが
今ではロリータファッション的だったり
エヴァネッセンスみたいなニュアンスでしか解されないから嫌だ。
70年代末のニューウェーブ・ムーブメントから
ポストパンクの一角としてこの志向が生々しく産み落とされた時は
ゴスはもっと殺伐としたものとしての輝きを放っていた筈だ。

その方向のストイックを一切受け継いでいなくたって
今のご時世、ゴスを名乗れる。
が、そんな人達の雰囲気って、僕はどこか軽く感じてしまう。
そんな中、ALI Projectのこの作品は、
あの何とも言わせぬ、吹き溜まりの様なニューウェーブの毒を
今のゴシックのイメージから距離をおかず
かつ限りなくそのままの気持ち悪さ、精神を持った状態で
現世に蘇らせている。
その上で、ALI Projectとして独自の安定感を与えているのだから
この人達、かなりの策士である。

そして、このアルバムにはそんな殺伐感と、
堕落といわんばかりの少女幻想臭が同時に満ちている。
耳障りの悪い音重ねを施した不穏なポストパンクチューンと
いかにもな耽美を表現したストリングス光るメロウチューンが
ここまで一つのアルバムの色の中に纏まっているのが凄い。

今のアリプロに魅せられた人が求める様な
ダイレクトな痛快メロは息を潜めている。
そして、一般のポップ/ロックの感覚だったり
ファッションでしか見ぬゴスロリ女子の目線からは理解し難い。
でも、不快の下に、下敷の下敷として敷かれた蜜毒を踏んだ時、
見事に孤立した快世界が開ける、そんな一枚。

彼らはこの作品の数年後、
劇的なコード進行とヒステリックなメロディーラインが解放されて
過剰に艶の利いた狂気世界をいとも自在に操る魔王となる。
しかしそれは、彼らが知っていたからだ、
ゴスの根幹には、まるで胃液を美化したかのような
不快で尖った芸術が今もなお強烈な主張を続けている事を。
だから彼らがハッタリのインパクトだけで終わるはずは無い。

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