『相変わらず男らしい小田さん』
小田和正という男は、男らしい男だ。たとえばこんな歌詞;
the flag 作詞・作曲・編曲 小田和正
「僕は諦めない 誰か聞いているか
僕はここにいる 誰かそばにいるか
やがていつの日か この国のすべてを
僕らがこの手で変えてゆくんだったよね」
このぶれない姿勢。僕はここにいる、という逃げも隠れもしない心意気。
誰か志を一にする人たちへの呼びかけ。しかも国を思うスケールのでかさ。
そして小田はひとを鼓舞するだけではない。
たしかなこと 作詞・作曲・編曲 小田和正
「自分のこと大切にして 誰かのことそっと想うみたいに
切ないときひとりでいないで 遠く遠く離れていかないで」
この呼びかけは利己的な強い人に対してでなく、自分ことより人のことを先にする心優しき人々への呼びかけだ。小田はそして、その人のそばにいるよ、という。
小田は常に風にも嵐にも雪にも木枯らしにも屹立して、前に立ってゆくべき道を指し示している。これが小田和正という人間の”誇り”だ。
誇りをもっていても、時の流れと状況の変転によりそれが揺らぐことがある。
そのままの君が好き 作詞・作曲・編曲 小田和正
「君がゆく 僕がゆく すべて包んで時はゆく
果てしなく続く道 誇りを胸に抱いてゆく」
こんな歌詞が歌われているとは、タイトルの「そのままの君が好き」だけを見た人には想像もつかないだろう。
つまり小田の愛は男女間のぐじゃぐじゃした恋愛だけではなく、男同士の愛や友情というものも包含した愛なのだ。
こんなに強く自分を保つことのできる小田の原動力は、自分自身に対する矜持=誇りのためだろう。
このCDを聴いてまた小田に惚れ直した。