『今年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンは』
シューベルト・イヤーだ。小学生なら音楽の授業で習得する「野薔薇」「鱒」の。。。
クラシックとしてはキャッチーというか、童謡か現在のポップ・ミュージックに
近いシューベルトはなかなか大々的に評価軸の上にには上りにくい作家である
しかし、ラ・フォル・ジュルネの作家になれば随分と見直しが進むだろう
クラシック=大衆音楽としての礎がまたそこに生まれたらいいな、と思う
本作はシューベルト歌曲の名唱者、フィッシャー=ディースカウの円熟期の録音
何とも滑らかな歌声
その声につられてミューラーの詩を改めて読めば、粛々として陰鬱。。。
いかなる不幸に見舞われようとも人生を祝福できるのは、こういう唄を
聴くときなのかもしれない。と言うとオオゲサだけど、でもそういう
素晴らしさが確かにある
どうにも速すぎたシューベルトの晩年(30歳でこの連作歌曲を書き上げ、
31歳で死んだ)を思うと、長生きはしたいが、長生きすればいいって
もんでもない、とか、思ったりする(しないこともあるけど)