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浜田省吾  CD販売
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FATHER’S SON

『父親像を通して語られるこの国の姿・・・『J.BOY』と並ぶ傑作』
 『J.BOY』が浜田省吾の代表作であり,日本のロックシーンに名を残す傑作であることは間違いない。ただ,その後に発表された本作も『J.BOY』に引けをとらない傑作であることを忘れてはならないと思う。
 本作は,多様な「父親像」あるいは,青年から壮年へと年を重ねてゆく男性の視点から見た現代社会が描かれている。戦後,進駐軍関係者と日本人女性の間に生まれ,実の父親を知らない青年を描いた「Blood Line」は,やり場のない怒りをストレートに表現したハードなナンバー。敗戦のショックから復興を目指してがむしゃらにがんばり続けてきた世代に「子供達に何一つ伝えずに この国何を学んできたのだろう」とつぶやかせる「Rising Sun」は,豊かな現代日本に対する強烈に批判した,「J.BOY」の続編とも言える名曲。夢に向かって直進するだけだった青年時代から,いつしか亡父に似てきた自分の面持ちを見て,ふと「自分はどこに行こうとしているのか」と気づく「Darkness In The Heart」は,親に反発することしか知らなかった自分の浅はかさと,亡くしてわかる父親の存在の大きさを痛感させる一曲だ。
 この他,仕事かマイホームか,企業戦士の心のうちをコミカルに描いた「I Don't Like “Friday”」,離婚してはじめてわかった二人の絆を切なく描いた「New Year's Eve」,許されぬ愛と別れを描いた「A Long Good-Bye」など佳曲が多い。サウンド・アレンジも充実していて,メッセージで聴かせるだけでなく,楽曲としても聴かせる曲が多い。
 ただひたすら突っ走るだけで良かった青年期から壮年期へ。その時,自分は何をすべきなのか。深く考えさせられる。『J.BOY』同様に必聴の傑作。

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