『ファン以外にオススメできるシングル』
“かつてないほどシングル化を薦められた曲、そしてこの曲に独り歩きをさせる可能性をあげたい”
と浜省本人が語っていた。当初タイアップの話もあったらしい。しかし、商業的に小難しい権利関係のもとへこの曲を送るのではなく、のびのびと曲本来の力で成長して欲しいと、考えたのだという。
確かに、それほどこの曲は何かえもいえぬ力を持っている。世に溢れる消費型バラードには決してない、潜在能力の大きさといえばよいだろうか、不思議な求心力を持った曲だ。
ラジオの本番中に浜省がギター弾き語りで、渋谷陽一氏の前で曲を披露するのだが、あの普段ラジオではクールを装う渋谷氏も、相当に心震えていた様子だった。要するにこの曲は同じベテランでいえば、「TSUNAMI」とか「木蘭の涙」クラスの普遍的に人の心を捉える名曲なのだ。
ちなみにカラオケで歌おうとすると、高音への課題はさほど問題はないのだが、浜省の声のような説得力、悲哀を出すのが難しい曲。浜省の声がバリトン声だし、キーも低めだから、かえって難しいのだ。「TSUNAMI」「木蘭の涙」、また「もうひとつの土曜日」とか「J.BOY」のような、とっつき易さはない。
ライヴではもはや有名な「演奏旅行」は初CD化。しかし自分のような、ライヴ未体験者が聴いてもいい曲だと思う。この曲でパフォーマーとリスナーが一つの気持ちになれるからだ。