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EDGE OF THE KNIFE

『田島照久氏のデザインワークが当に青い時代に生きた刹那を表しきっている』
青春期とはエネルギーを内に抱え暗く陰鬱なもの。今作は悶々としながら恋や将来に不器用なまでに純粋な青年が描かれ、そして“若さ”の象徴的な風景が至る所に散りばめられている。例えば“ゆうべの争いの跡”“赤いヘルメット”“紺と銀色の盾”とは、浜省が神奈川大に入学した70年代後半、学生運動の熱が燻った時代性だ。
序曲は甘酸っぱく切ない。“砂の城”という象徴的な言葉を配した曲が選ばれているのが注目だ。今作の二度と戻らない青春の「儚さ」を表す。そして“愛だけが最後の答えとわかるまでは”で、前ニ作の主題はここから始まり今作はそのエピソードとも思わせる。後の「遠くへ」にも通ずる詞だ。2曲目は、まるで炎の中に浮かび上がった走馬灯が作品全体を映すよう。“答えなど無い全ては移ろい消えてゆく”という詞が印象的。
「19のままさ」は一浪した浜省にとって思いの深い詞だろうし、19歳という10代最後の放熱の光と、社会からはみ出した存在の影の部分を浮かび上がらせた名曲。“目をこうして閉じれば19のままさ”“でももう取り戻せない”この言葉で現実が強調され、瞼に焼きついた切なさを際立てる映像の見せ方だ。
代表曲「ラストショー」も同様、想い出が写実的に加速し涙も風に運んでゆき、身を切るような痛みを感じる。そして浜辺で毛布に包まってみた夜空は「遠くへ」にも繋がるだろう。同曲は作品全体を凝縮したような曲。7分前で曲が加速し星屑になった後の“星がひとつ空から降りて来てあなたの道を照らすのよ”は非常に泣かせる。そこでは前曲の“あなたの夢の中で生きてゆけるかしら”もここで発せられたのかもしれないし、“違う違う、こんな風に打ちのめされるために生きてきたわけじゃない”は実は「スイートリトルダーリン」にも還ってゆきそうだ。彼女の涙のこちら側で心の涙を流している辛さが伝わってくる。

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