『高らかに鳴らす、希望の音』
95年以降、オウム・震災・山一證券倒産など、非常に暗いニュースで日本人は未来に希望を失いかけていた。そんな時代で数少ない日本人に嬉しいニュース、「希望」という存在は、筑紫哲也も久米宏もドジャース野茂の活躍だと口を揃えていった。その野茂ほど国民全体に対してインパクトを与えたわけではないが、音楽でその暗さに一矢報いた名盤がこれだ。ミリオンナイツに生登場した浜省と町史はリスナーに向けて高らかに希望を送っていた。
“暗い時代に風穴を開けたかった”、“これが最後でも構わないこれ以上の作品はつくれない”、と本人が語るほどの自信作。確かに何度も聴くごとに良さがじわりじわりと実感してくる。「Because I Love You」などメロウさとROCKの浜省の持つ良い面がうまく混ざり合って名曲が生まれている。
またタイトルは上記のような理由のみならず、浜省本人のメンタルバランスが回復した証のような名づけ方であるともいえる。